青森県埋蔵文化財発掘調査報告会 令和元年度(2019)
令和元年度の埋蔵文化財発掘調査報告会を、12月7日(土)・8日(日)に青森県総合社会教育センターを会場に実施しました。令和初の開催は、昨年度に引き続き2日間開催となりました。今年は調査成果報告も遺物・パネル展示とあわせ2日間行い、最終的に延べ186名の皆さまに会場へお越しいただきました。
調査成果報告(第1研修室)
今年度は例年会場にしている大研修室が改修工事で使用できなかったため、第1研修室で12月7日(土)と8日(日)の2日間、当センターから6遺跡、市町村・大学から8遺跡、計14遺跡の調査成果報告を行いました。
7日は開催挨拶の後、三沢市平畑(3)遺跡、七戸町猪ノ鼻(1)遺跡・猪ノ鼻(2)遺跡、東通村安部遺跡、風間浦村古野(2)遺跡、五所川原市五月女萢遺跡、弘前市砂沢遺跡・湯の沢遺跡の報告を行いました。8日は横浜町林ノ脇遺跡・百目木(3)遺跡、南部町聖寿寺館跡、新郷村戸来館遺跡、八戸市一王寺遺跡、六ケ所村金堀沢遺跡、弘前市弘前城本丸石垣の報告を行いました。各調査担当者が調査現場の写真や図面を用い、調査によって得られた新たな成果を報告しました。来場者は熱心に耳を傾け、質疑応答では様々な視点からの質問がなされました。
開会の挨拶
発表の様子-12月7日
発表の様子-12月8日-1
発表の様子-12月8日-2
遺物・パネル等の展示(第5・6研修室)
12月7日(土)と8日(日)の2日間、一部の展示は1日のみの展示となりましたが、報告遺跡ごとに旧石器時代から近世に至る各時代の出土品や写真パネルを展示しました。例年の展示室である第1研修室が発表会場となったため、今年度は第5・6研修室に分散して行うこととなりました。
旧石器時代~縄文時代では、安部遺跡から出土した動物遺体や、主に縄文時代早期から晩期までの土器や石器が展示されました。また、風間浦村古野(2)遺跡の土偶は回転台の上に展示し、背面も見ることができたため、注目が集まっていました。
弥生時代~古代では、報道にも取り上げられた猪ノ鼻(1)遺跡の古墳時代/続縄文時代の土壙墓から出土した土器に加え、ガラス玉や管玉といった玉類が展示され、訪れた方々も見入っていました。また、弘前市砂沢遺跡の土層剥ぎ取りは迫力があり、現場でしか見ることのできない土の情報を間近に見ることができました。
中世~近世では、新郷村で久しぶりに調査が行われた戸来館遺跡の成果について、職員に質問される方がいらっしゃいました。
また、上記の展示に加えて、「報告書でわかった新発見!」という特集展示を行いました。発掘調査報告会を行った後、報告書を刊行するまでの間に判明した発見は、遺物と共に一般公開される機会がなかなかありませんでしたが、改めて報告書に興味関心を持っていただくために企画したものです。今回は土器に付着した「おこげ」と、縄文土器に木の枝で模様をつけた「枝回転文」を取り上げました。
青森県立図書館の協力により好評の関連図書の展示及び貸出を今年度も行いました。発表遺跡に関する図書が多数展示され、気になった本をご覧になったり、県立図書館職員に常駐していただき、その場で貸出ができるサービスを受ける方もいらっしゃいました。
展示室(第5研修室)
展示室(第6研修室)
展示室(土偶展示)
県立図書館による関連図書の展示
配布資料ダウンロード
当日配布の小冊子がPDFファイル[軽量版]でダウンロードできます、紙上報告のみの遺跡もありますので、ぜひご活用ください。
【A4判38ページ 容量:約5.7MB】