青森県埋蔵文化財発掘調査報告会 平成30年度(2018)
平成30年度の埋蔵文化財発掘調査報告会を、12月8日(土)・9日(日)に青森県総合社会教育センターにおいて実施しました。29回目となる今年度は、久々の2日間開催となりました。8日(土)は調査成果報告と遺物・パネル展示、9日は遺物・パネル展示のみとなりましたが、開場とともに多くの方に来訪いただき、最終的に2日間で155名の皆さまに会場へお越しいただきました。
調査成果報告(大研修室)
12月8日(土)に、当センターから7遺跡、市町村・大学から12遺跡、計19遺跡の調査成果報告を行いました。
午前中は、つがる市長谷川遺跡・竹鼻(3)遺跡、三沢市早稲田(1)遺跡・平畑(3)遺跡、風間浦村古野(2)遺跡・古野(3)遺跡、七戸町猪ノ鼻遺跡・後平(4)遺跡、五所川原市五月女萢遺跡、つがる市竹鼻(3)遺跡の報告を行いました。昼の休憩をはさんで、午後は東通村安部遺跡、弘前市清水森西遺跡・砂沢遺跡・弘前城本丸石垣、六ケ所村金堀沢遺跡、つがる市竹鼻(3)遺跡、南部町舘遺跡・西張(3)遺跡・聖寿寺館跡、八戸市櫛引遺跡、三戸町三戸城跡の報告を行いました。調査担当者が調査現場の写真や図面を用い、分かりやすい報告を行っていただき、参加者は熱心に耳を傾け、質疑応答では様々な視点からの質問がなされました。
すべての報告の後、弘前大学人文学部上條信彦准教授から講評をいただきました。
開会の挨拶
会場の様子
発表の様子
上條准教授による総括
遺物・パネル等の展示(第1研修室)
12月8日(土)と9日(日)の2日間、報告遺跡ごとに旧石器時代から近世に至る各時代の出土品や写真パネルを展示しました。一部の展示は8日(土)のみの展示となりましたが、9日(日)は8日(土)の調査成果報告を閲覧できるブースを設置し、8日(日)にお越しいただけなかった方への情報提供を行いました。
旧石器時代~縄文時代では、安部遺跡から出土した動物遺体や、主に縄文時代早期から晩期までの土器や石器が展示されました。また、舘遺跡の動物形土製品などにも注目が集まっていました。
弥生時代~古代では、猪ノ鼻遺跡の古墳時代/続縄文時代の土壙墓から出土した土器に加え、ガラス玉や管玉といった玉類が展示され、訪れた方々も見入っていました。
中世~近世では、馬淵川流域での調査事例が多かったことから、展示ブースも例年より多くなりました。また、最終年度となった弘前城本丸石垣の調査で出土した珍しい遺物が展示されました。
今年度は上記の展示に加えて、「報告書でわかった新発見」という特集展示を行いました。発掘調査報告会を行った後、報告書を刊行するまでの間に判明した発見は、好評される機会がなかなかありませんでしたが、関連遺物とパネル展示を行うことで、改めて報告書に興味関心を持っていただきました。
また、今回も青森県立図書館の協力による関連図書の展示及び貸出を行いました。埋蔵文化財や考古学に関する図書が多数展示され、県立図書館職員が常駐し、気になった本をご覧になったり、その場で貸りていかれる方もいらっしゃいました。
会場風景
トピック展示の様子
調査成果報告閲覧ブース
県立図書館による関連図書の展示
配布資料ダウンロード
当日配布の小冊子がPDFファイルでダウンロードできます、ご活用ください。
【A4判40ページ 容量:約3.6MB】