青森県埋蔵文化財発掘調査報告会 平成29年度(2017)
平成29年度の埋蔵文化財発掘調査報告会を、12月9日(土)に青森県総合社会教育センターにおいて実施しました。28回目となる今年度は、計13遺跡の調査成果報告と出土品やパネルを展示しました。開場とともに多くの見学者が展示室に入場し、最終的に148人の皆さまにおいでいただきました。
調査成果報告(大研修室)
今年度は、当センターから6遺跡、市町村他から7遺跡の計13遺跡の調査成果報告を行いました。
午前中は、むつ市内田(2)遺跡、東通村安部遺跡、三沢市早稲田(1)貝塚、階上町柄貝遺跡外、弘前市外の沢(5)遺跡外の5遺跡、午後には東通村釜ノ平(2)遺跡、七戸町 後平(1)遺跡、青森市米山(2)遺跡、つがる市亀ヶ岡遺跡の4遺跡、休憩をはさんで、八戸市熊野堂遺跡、弘前市坂本館、青森市篠塚遺跡、弘前市弘前城二の丸の4遺跡について調査担当者がスライドを用いながら報告しました。
調査現場の写真や遺構配置図を使った調査成果の報告に、参加者は熱心に耳を傾け、質疑応答においても様々な視点からの質問がなされました。
すべての報告の後、弘前大学人文学部上條信彦准教授からご講評をいただき、調査成果報告を終了しました。
報告の様子(内田(2)遺跡)
報告の様子(弘前城二の丸)
質疑応答の様子
遺物・パネル等の展示(第1研修室)
展示会場では、報告した遺跡ごとに出土遺物と写真パネルを展示しました。時代的には旧石器時代から近世に至る各時代の出土品が含まれています。
旧石器時代~弥生時代では、今回は特に、縄文時代早期から晩期、弥生時代までの各時期の特徴的な土器が多く展示されました。また、米山(2)遺跡から出土した可愛らしい注口土器やスタンプ状土製品、安部遺跡の獣骨類や釜ノ平(2)遺跡の貝類などにも注目が集まっていました。
古代~中世では、平安時代の土師器・須恵器の他、熊野堂遺跡から出土した緑釉陶器や鉄製品、坂本館や篠塚遺跡から出土した陶磁器や古銭などに見入る人が多くいました。
近世では、弘前城二の丸から出土した、大阪で焼かれた瓦なども展示されました。
今年度は、調査成果報告の行われた13遺跡の出土遺物とパネルの展示に加えて、「奈良時代の青森県」という特集展示も行いました。展示室中央で、これまで当センターが発掘調査を行った県内各地の奈良時代の遺跡をパネルと出土遺物で紹介したところ、普段なかなか目にすることのできない遺物に、いろんな角度から遺物を観察する方もいました。
また、前回好評でした青森県立図書館の協力による関連図書の展示及び貸出を、今年も行いました。埋蔵文化財や考古学に関する図書が多数展示され、県立図書館職員が常駐し、気になった本をその場で貸りていかれる方がたくさんいらっしゃいました。
遺物・パネル展示の様子
遺物展示の様子(特集展示)
県立図書館による関連図書の展示
配布資料ダウンロード
当日配布の小冊子がPDFファイルでダウンロードできます、ご活用ください。
【A4判30ページ 容量:約1.3MB】
20190621訂正
※16ページの調査機関が「青森県埋蔵文化財調査センター」となっていましたが、正しくは「弘前市教育委員会」でした。訂正し、お詫びいたします。